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「どうやって行くんだ?」
「私に任せてください」
そう言うなり、茜は俺の手を握った。
「っ!//」
「顔を赤くしないでください……。私だって恥ずかしいんですから……//」
茜も顔を赤くし、少し目を伏せていた。
異性と手を繋ぐなんてな……。
茜は俺と繋いでいない方の手を頭上に掲げる。
すると、死神らしい鎌が出現した。
茜にはあまり似合わない、無骨で照明をきらきら反射する鋼鉄の巨大なそれは、俺に茜を死神だと半ば強制的に認識させた。
「目を閉じてください」
凛とした茜の声。
言われた通りに目を閉じる。
「行きますよ?」
コッ
と、床を固い何かが突く音がしたあと、落ちるような包まれるような……そんな不思議な感覚に包まれた。
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