序章

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「そんなことよりお父さん」 「そんなこと!?兄の尊厳とか色んなものがかかってるぞ!?」 「うるさいよお兄ちゃん。お父さん、スリップしないでね?水溜まりがいっぱいあるから」 「ははっ。わかってるよ。だからこうして安全運転、低速運転してるんだよ」 うるさいよって……。妹よ……。 「ならいいや♪」 俺の妹は、そんな俺の落胆した視線など見向きもせずに朗らかに笑う。 ……もういいや……。 そんな感じにいつも通り、家族団欒していた。 していたんだ。
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