序章

8/12
前へ
/477ページ
次へ
怪我をしているのはわかった。だが、何故俺は怪我をしているんだ? 事故ってなんだ? それにこういうときって、大抵、家族が近くに居るもんじゃないのか? 俺が頭に疑問符を浮かべていると医者はそれを察したのか、俺の疑問に答えてくれた。 「君は交通事故に遭ったんだ。3日前にね。豪雨でできた水溜まりにスリップしたトラックが君の乗った車に突っ込んだんだよ」 医者は続ける。 「君の乗っていた車はもうボロボロだったそうだ。よく生きてるねってほどに」 「そして、君の家族だが―――― お亡くなりになられたよ」
/477ページ

最初のコメントを投稿しよう!

386人が本棚に入れています
本棚に追加