鈍色の溜め息

母親（小谷と、実の母親の話）

「アハハ、白田君はヤキモチ焼きだなぁ。
君の前だと特に、実はミィさんにベタベタするからな。
普段はアレ程じゃないんだ、大目に見てやってくれ」

小谷は楽しそうに笑って、俺の知らなかった事実をサラっと言った。

「ハァ？　何だソレ」

クソッ、そうだったのか……実。
アイツ、俺の反応を面白がっていたんだな。

しかし、からかい半分でも実の青子サンに対する言動は嘘じゃないだろう。
青子サンも信じているようだし、俺も基本的には悪いヤツじゃないと思っている。

俺は溜め息をつきながら、そんな事を考えた。
すると笑顔だった小谷が、ふと真面目な顔になった。