母親(小谷と、実の母親の話)

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「実は、どうするんだろうか。 後悔する事になったとしても、結局は選択した自分の責任だ。 その覚悟だけは、必要なんだろうな」 「そうだな」 小谷は、家族と不仲で疎遠(そえん)らしい。 そんな自分と実を重ねているんだろう、沈んだ顔だ。 「だいたい自分の事さえ、どうとも出来ていないのに。 僕に、そんな事を言う資格があるのか……」 小谷はグッタリとした様子で、長い溜め息をついた。 普段のコイツは、すぐ顔に出る。 仕事中は、キリッとしているんだが。 「まぁ、後悔しないようにって事でさ。 今のその気持ちもろとも、伝えてみたらどうだ? 後は、実が自分で決めるだろ」 俺の言葉を、小谷は目をパチクリとしながら聞いていた。
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