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青子サンと水入らずの旅のはずが、何故か小谷親子がついて来ていた。
あの時は驚いて、腰をぬかす所だった。
しかも、旅館にまでついて来そうだった。
そんな事になったら、色々と台なしだ。
同じ旅館は必死で阻止したが、アイツらは俺達の邪魔をしているのだろうか。
「あぁ、ここが白田君とミィさんの愛の巣か……。
いいなぁ。
今日、泊まりたいなぁ」
俺が苦い回想をしているとも知らず、小谷が何故かウットリとしたような声で言った。
「は? ふざけんな、ちゃんと帰れよな」
俺の言葉に何の反応もない小谷は、舐めるように玄関を見ている。
そして、その横で実が査定でもするような目で腕組みをしていた。
「ふーん。
何だよ、狭いじゃん。
青子さん、僕がいつかもっといい所に住ませてあげるからね」
実は俺に一瞥を投げて、青子サンに微笑んだ。
コイツの生意気はいつもの事だが、小谷のヤツは何やってんだ。
「こら小谷、青子サンの靴出してんじゃねぇよ。
実も、お前ら人ン家に来てまで相変わらず失礼だな」
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