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すると実は、大袈裟に溜め息をついた。
「何だよ、今さら。
僕の正直さは知ってんだろ」
「生意気で可愛くねぇってのも、知ってるけどな」
「いやだなぁ、白田君。
会ったとたんに不機嫌なんだもんなぁ。
もう仕方ないんだから、あきらめて楽しく過ごそうじゃないか」
小谷は青子サンの靴を持ったまま、口を尖らせる。
「勝手な事を……、お前らなぁ。
文句ばっかり言うんなら、帰ってもいいんだぞ」
俺がそう言うと、小谷と実は返事もせずにあっという間にウチに上がり込んだ。
「ガミガミオヤジ。
そっちこそ怒ってばっかだと、青子さんに嫌われるぞっ」
「文句なんて言ってないじゃないか。
僕はまだ帰らないぞ、やっと来られたのにっ」
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