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実はさっさと奥に行き、小谷は「白田君達も早く」と言いながらリビングに入って行った。
「ヤダ、小谷君たらっ。
人の靴放り投げるなんて、もう家に呼ばないよっ。
ほらぁ、自分達の靴もバラバラ」
靴の散乱した玄関を見て、青子サンが言った。
「あぁっ、ごめんなさい、もうしませんっ。
靴揃えるから、来週も予約で」
小谷が、リビングから転がり出ながら言った。
「千晶ー、僕の靴も揃えといてぇ」
実は顔だけヒョイッと出して言うと、すぐに引っ込んだ。
「コラ実、自分の事は自分でしなさいっ。
ちゃんと靴を揃えない人は、もう来なくていいからな」
小谷も、勝手な事を偉そうに言っている。
「ここは、お前ん家かよ……」
ドアの鍵をかけながら、俺は溜め息をついた。
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