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俺達がリビングに入ると、実が青子サンを待ち構えていた。
「青子さん、このケーキ美味しいって評判のヤツなんだ。
僕、朝一で買ってきたんだよ」
実は“素直な少年”のような笑顔で、手にした紙袋を青子サンに差し出した。
軽く首を傾げた実のあの笑顔は、作っていると見た。
「そうなの?
嬉しい、ありがとう」
青子サンは、実と小谷を交互に見ながら微笑んだ。
実が買ってきたらしいが、スポンサーの小谷にも感謝を伝えている。
そういう所も、彼女の良い所だ。
青子サンの笑顔に小谷が嬉しそうな顔をしたとたん、実が青子サンの腕に自分のそれを絡めた。
「早く食べようよ、僕も用意手伝う。
ね、ケーキ好きなの選んでい?」
そう言いながら、実は青子サンを引っ張って部屋から出て行った。
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