鈍色の溜め息

母親（小谷と、実の母親の話）

俺が呆れて見ていると、小谷は能天気に笑った。

「アハハ、まるで親子だなぁ。
ほほえましいじゃないか。
なぁ、白田君」

「そうか？
実のヤツ、異様に青子サンを母親扱いしてないか？
しかもアレ、あの年齢の少年の態度じゃないだろ」

抱き着いたりベタベタしたり、ガキっぽいというか何というか。
将来一緒に住むってのも、半分本気な匂いがプンプンだ。

「実は、ミィさんを仮想母親にしているふしがあるな。
でも、ただ甘えたいだけだろう。
そのうち落ち着くんじゃないかな」

「だから、勝手に母親扱いするなよな……」

普段は年上という事を忘れるくらい、可愛い俺の青子サンなんだ。
せめて“姉扱い”にして欲しいものだ。