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?1?『...お兄ちゃん...お兄ちゃん起きて!』
?2?『...弟くん遅刻だぞ!』
耳を抜ける透き通るような声。
手に伝わる温かな感触。
頬に感じる柔らかい触感。
ふと目を開けると...
それは夢だと思い知らされる現実。
この物語の主人公であるおれ
器口 日出吉 (キクチ ヒデキチ)は
どこにでもいる普通の高校2年生。
比較的友だちも多く
その中の女友だちの割合もなかなか高い。
が、
彼女いない歴=年齢+2
という不名誉な経歴をもつ。
とまあ、
なぜか空に向かって独り言を言っているおれさまだが、
今朝はいい夢を見たおかげで遅刻ギリギリの5分後である。
体育教師の顔が強い渡部裕太郎先生が肛門の前で茶色い棒を持って待ち構えている。
顔強「おそい!」
バシッ
茶色い棒の茶色い塗料が制服のズボンの後ろ側についた。
棒には
『ペンキ採りたて』
と注意書きがあった。
今朝の採りたてらしい。
とまあ、こんな感じで
12月10日の桜野高校の1日がスタートした。
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