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「……んっ、…平助…君?」
薄く目を開けきょろきょろした後パッ、と目を開いた。
「平助君っ!」
「真桜ぉっ!一応久しぶりって…言った方が良いか?」
そう言って照れくさそうな顔をしてニカッ、と笑った平助君。
「ふふっ、そうだね。左之さんに新八さんも、皆元気そうで良かった。ーー…ただいま。」
「おかえり、真桜。」
「おう、おかえりっ。やっと真桜のメシ食えるなぁっ、楽しみだっ!」
平助君と新八さんはおかえり、と言ってくれたけど、左之さんは、何も言わずジッとあたしを見つめた。
不安になり少しだけ目をそらすと、急に腕を引っ張られ、目の前が暗くなり、左之さんの匂いがした。
「…ふぎゃっ!!さささ左之さんっ?!何するんですかっ!」
「はっ、原田君っ!!」
近藤さんや平助君達がぎゃあぎゃあ騒ぐのも気にせず左之さんはあたしの耳元でいつもより少し低い声で呟いた。
「おい真桜。俺はなぁ、あの時死ぬほど心配したんだぜ?あの後、山崎は狼狽えて自分の所為だー、とか言うしよ、土方さんからお前は記憶が無くなってるとか聞くしよ。だから罰だ。」
そう言うと、左之さんはあたしの体をぎゅうっ、と抱き締めた。
「いたたたたっ!ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいっ!だから力抜いて下さいぃぃぃっ!」
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