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「セレナ、父さん達は一階でタバコを吸ってくる。お前はここにいるか?」
父と母は、それぞれタバコとライターを持っていた。鞄から取り出したのだろう。
「飛行機で吸えなかったからねぇ 私たちは下に行くから、セレナはここにいなさい」
「うん。疲れたから、先に寝るよ。シャワーして」
「鍵は持ってくから、外に出るなよ」
「はい」
素っ気ない会話のあと、親は部屋を出た。
そして、セレナは靴を脱いでベッドに寝転ぶ。
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一方、スーツ姿の男は、未だ空港にいた。
それでいて、もう一人の男と何かひそひそと会話をしている。
「ルドルフ博士。この散布型エレメント0は、吸引してから30秒で死にいたらしめ、そして復活します」
もう一人のグラサンを掛けた男は、スーツ姿のルドルフ博士に黒い鞄を見せる。
「これを、これを通気孔か、それか見えない場所に置けばいいか?」
先程よりも汗が流れている。手は微妙に震えていた。
「ええ。人が多い場所で、バレない位置であれば」
「そうか。君は、このあとはどうする?」
「ケネディ宇宙センターに向かいます。出発の時刻までは遅れない様に。それでは」
「あぁ」
もう一人の男は、そう言ってどこかえ消えた。
その後、ルドルフは空港内部をうろちょろしていた。
最適の散布場所はどこか。なまじ、目に見える場所には置けない。
「いいか。鞄を忘れたフリをして、それで逃げよう」
ルドルフは、空港内のステンレスの椅子に腰かける。色んな外国人が座っていた。
そして、黒い鞄を置いて、誰にもみられない様にカプセルのタイマーを弄る。
カプセルの中は見えないようになっていた。
「……」
タイマーを10分に設定した。そして鞄を席の下にバレないように置く。
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