ホテル エアポートイン

4/14
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「セレナ、父さん達は一階でタバコを吸ってくる。お前はここにいるか?」 父と母は、それぞれタバコとライターを持っていた。鞄から取り出したのだろう。 「飛行機で吸えなかったからねぇ 私たちは下に行くから、セレナはここにいなさい」 「うん。疲れたから、先に寝るよ。シャワーして」 「鍵は持ってくから、外に出るなよ」 「はい」 素っ気ない会話のあと、親は部屋を出た。 そして、セレナは靴を脱いでベッドに寝転ぶ。 ------ 一方、スーツ姿の男は、未だ空港にいた。 それでいて、もう一人の男と何かひそひそと会話をしている。 「ルドルフ博士。この散布型エレメント0は、吸引してから30秒で死にいたらしめ、そして復活します」 もう一人のグラサンを掛けた男は、スーツ姿のルドルフ博士に黒い鞄を見せる。 「これを、これを通気孔か、それか見えない場所に置けばいいか?」 先程よりも汗が流れている。手は微妙に震えていた。 「ええ。人が多い場所で、バレない位置であれば」 「そうか。君は、このあとはどうする?」 「ケネディ宇宙センターに向かいます。出発の時刻までは遅れない様に。それでは」 「あぁ」 もう一人の男は、そう言ってどこかえ消えた。 その後、ルドルフは空港内部をうろちょろしていた。 最適の散布場所はどこか。なまじ、目に見える場所には置けない。 「いいか。鞄を忘れたフリをして、それで逃げよう」 ルドルフは、空港内のステンレスの椅子に腰かける。色んな外国人が座っていた。 そして、黒い鞄を置いて、誰にもみられない様にカプセルのタイマーを弄る。 カプセルの中は見えないようになっていた。 「……」 タイマーを10分に設定した。そして鞄を席の下にバレないように置く。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!