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その後も、次々と、煙を吸って倒れた死体達が続々と立ち上がり、目を青く光らせ、人間に突撃してくる。
すでに、ゾンビ地獄と化していた。
ゾンビに噛まれた人々は一度死ぬ、そして復活し、生きた人間に襲いかかっていく。恐ろしいシステムが、この空港で発生していた。
あっという間にゾンビは大量発生。
人々の逃げ場がなくなっていた。
「感染したぞ!うちの娘が!うぁ!」
逃げ惑い混乱する人々は、空港の入り口で詰まり、なけなしに次々と逃げ遅れた人々がゾンビの餌食となっていった。
それから約一時間、ゾンビの軍団は、ベルトパークウェイまで及んでいた。
しかし、その事に、セレナは全く気づいていない。
カーテンを閉め、テレビもつけず、ホテルの部屋で、趣味の宇宙開発の雑誌を読んでいた。
外からは悲鳴が聞こえるはずが、防音性の高い窓ガラスによって遮られている。
だがしかし、その時だ。セレナがページをめくったその時、ドンッ!という鈍い音が鳴り響いた。
「え?」
セレナはビクッとして驚き、目を見開いて音の鳴った方をみた。
その先は扉だった。
恐る恐る、セレナは本を置き、ドアに向かう。
「父さんと母さん、かな……」
セレナはドアノブを握り、そして思い切りあげた。
「ブォォォ……」
「い、や!?なに!?」
扉を開けると、血だらけで物凄くくさい臭いを放つ人の様なのが、目の前にいた。
セレナは驚き、後ろに転んだ。
「いって……ゾンビ……?」
歩く死体は、ゆっくりとセレナに近づく。
セレナは瞬間立ち上がり、あわてて机にあったランプを両手で持った。
「うぅ……このっ……」
セレナは思い切り、ゾンビに対して殴打した。
何度も何度も、倒れるまで殴り続ける。
セレナは、殴る度にふんっ!ふんっ!と強い吐息を出した。
「アアァァァ……」
最後に頭を思い切り殴った。
するとゾンビは弱い声を出して、そのままバッタリと倒れる。
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