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殻の付いたままの落花生がプカプカと浮いていた。
一「…あ゙っ。」
斎藤の顔がみるみるうちに険しくなる。
…それも無理はない。
今日のお酒は、いつもより少しだけ奮発して高いものだった。
刀とお酒をこよなく愛する斎藤には、落花生の浮いたお酒など…堪えられない。
総「プッ…落花生が浮いたお酒も風りゅ…」
一「黙れっ。…落花生はどこだ。」
今にも吹き出しそうな沖田に冷ややかな台詞と殺気を浴びせた。
総「うっ、あ、あっちに……アハハハ」
笑い出した沖田を無視して、斎藤は無事に落花生を手に入れた。
一「…左之。」
斎藤に呼ばれて原田が振り返ると…
―バシッ、バシッ。
斎藤が、近距離で思いっ切り豆を投げつけて来た。
左「いてっ。おい…痛いっ!!やめ…痛っ…、なんで一が怒ってんだよっ!!」
まさか…杯に落花生が入ってしまったなどとは、原田は知らない。
一「鬼は外、って言うだ…ろッ!!」
斎藤は再び力一杯投げつけた。
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