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ちょうど先生が壇上に上がろうとした時、いきなり左腕に違和感を感じた。
そんなに強くはなくて、
そっと触れる程度。
後ろを振り向くと、不意に甘い香りが漂ってきた。
そしてその香りの主と目が合った。
「紀田君…?」
「え、あぁ」
「蔵前君が君を呼んでいるの」
「海が?」
そう言うと彼女はすっと右に体を傾けて、そこから海と目が合った。
「あ、竜!」
「何?」
「えっと…あ、教科書!取りに行かねぇ?」
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