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違和感の正体を知る為に、更に義輝を攻め立てるが、攻めれば攻める程、感じている違和感が強まっていく。
(まさか…)
祭は突然義輝と間合いを取るように、後ろに引いた。
「先ほどからお主を攻めれば、攻めるほどに違和感を感じておった。 だが、分かったぞ」
息を整えながら、彼女は続ける。
「お主、わしの剣筋を見極めて、全ていなしておるな。 だからわしの剣撃を何度受けても、その刀は折れなかった」
相手の剣筋を見極め、いなす。
もし慣れ親しんだ相手ならば容易な技なのであろうが、初めて手合わせするという相手であれば話しは別だ。そう出来るものではない。
だが義輝は初めから祭の剣筋を見切り、 全ていなしている。
「だがな、避けるので精一杯であるのなら、わしを倒す事は出来ぬぞ?」
「確かに、祭殿のおっしゃる通り。では今度は儂から攻めさせて頂く」
義輝は一足で自分の間合いへと踏み込むやいなや、刀を振るった。あまりにも早い一撃。早さだけでいえば恐らく祭の振るった剣を遥かに凌駕しているだろう。
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