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「むっ…!?」
その早さに驚きつつも、祭はなんとか義輝の一撃を受け止めるが、それとは裏腹に義輝の攻撃は更に苛烈さを増していく。
そして―――
「…まいった」
火花が散るような連撃を幾度となく受けた祭の剣は、甲高い音と共にどこかへ吹き飛とんでしまった。 その後、すかさず喉元に切っ先を突きつけられた祭は降参する。
「お主、強いのう。 わしが適わんとは…」
「いや、祭殿の攻撃の中に危ないところは幾つもあった」
刀を鞘に納め、お互いが健闘を称える中、少し離れた位置で観戦していた雪蓮と冥琳が近づいてきた。
「義輝、あなた本当に強かったのね」
「信じられん。祭殿が負けるなんて…」
2人は義輝の勝利に心底驚いたといった顔だ。……否、1人は興味津々といった顔をしている。
「次は"私"とお願いね。あ、もちろん後日改めてだけど」
「ふむ、いずれお相手致す」
義輝の答えに雪蓮は満足そうに頷き、彼と戦うその日に思いを馳せた。
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