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「おーい!こっちこっち!!」
白い息を吐きながら懸命に手を振っているのは折れ、篠田蓮(シノダレン)。
雪山に仲の良い6人でやってきたのだ。
「ちょ・・・待ちなさいよぉ!重たいんだから・・・。」
一人の女子、井吹れみ(イブキレミ)が荒い息を立てながら雪山を登る。
徒歩でここまで登ってきたのである。
「ほら一つ持ってやるよ。」
れみに手をさし伸ばしたのは磯野信(イソノシン)。
ひょいっとれみの荷物を担いでさっさと前に行ってしまった。
「れみ、あんた一泊も宿泊に何個バック持ってきてるの?」
あきれた表情で笑っているのは俺の彼女でありみんなのクラスメートである鷹山結衣(タカヤマユイ)。
今回のスキーを計画した主催者である。
「まぁまぁ結衣、あんたもそこまで荷物変わらないよ?」
くすくす笑いながら結衣のリュックを殴るのは神楽奈々(カグラナナ)。
言えばこの雪山は奈々の私有地であり今回はみんなで思い出を作るためにこの場所提供してくれたのだ。
お察しのとおり奈々は地域では一番の財力を誇るお嬢様なのだ。
ならばなぜ車で来ないのかって?それは奈々が雪道の車はあまり好きではないということで徒歩になったのだ。
「お!見えてきたぞ。神楽の別荘が!」
渡部翔(ワタベショウ)が目を輝かせながら山の上を指差した。
そこには悠々と寛大に構えるお城のような家が聳え立っていた。
よく見ればこちらに誰かが歩いてくるのが見えた。
「あら、天草じゃない。もう来てたの?」
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