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校門から出ようとした時、後ろから声をかけられ、足を止めた。
「あれー?如月澪じゃん」
「うっわ偶然ーっ!」
出た。
坂口くんファンクラブの自称幹部の先輩方…。
キャハハハと甲高い声がかんに障る。
「あの、何か用ですか?」
先輩達の顔から一瞬にして笑みが消える。
「お前、うざいんだよ!ちょっと顔がいいぐらいで調子のってんじゃねーよ!」
「見てるだけで吐き気するんだよ!」
「じゃあ、いちいち見ないでいいじゃないですか?」
「なっ!」
こっちだって、何もしてないのにうざいだなんだって言われちゃ困るんだよ。
もともとこんな性格だから、人に媚びるなんてことはしない、それが先輩だったとしても。
そういう態度が余計にかんに障るのかもしれない。
なんてことを冷静に考えていた。
「ここじゃなんだからさ、向こうでちゃんと話しようよ?」
先輩グループの中で一番偉いっぽい奴が前に出る。
「…分かりました。」
素直に同意したのに驚いたのか、一瞬ポーカーフェイスが崩れたが先輩達は歩き始めた。
私はその後に続いた…
…と見せかけて、
「…逃げるが勝ちっ!!」
と捨て台詞を残し、
くるりと背を向けると
猛ダッシュした。
「…は?おい、ちょっ!」
先輩達の驚き、怒り、軽蔑、のいろんな声が聞こえてきたが、そんなことはお構いなしでとにかく走る、走る!
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