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「…あなた、誰。」
我ながら警戒心バリバリの声だと思う。
「んー、君と同類ってとこかな?…君の家、如月家の者だよ。」
″キサラギケノモノ″
男の声が頭の中で繰り返される。
その瞬間、私はくるりと踵をかえすと逃げようと足を踏み出した。
が、それは男の腕によって阻まれた。
「おっと、返すわけにはいかないよ。君に一緒に来てもらうためにここまで来たんだ。」
言っている意味が分からない。
「…うん、てかそれ誘拐だよね?」
「てへ?」
「″てへ?″じゃねーよ。とりあえず離してもらえます。」
「だーめ☆」
「キモ。てかなに最後の星マーク。」
「うわ、キモイとか傷つくー。これでも俺モテる方なんだけど…。お兄さん傷つくわー。」
「ツッコミどころ満載で、もういいわ。」
「いや、そこは突っ込んでよ。」
「…で、その手どけようか?」
「スルーすんなよ。」
「……。」
「まあ、話はまた向こうでゆっくりと、んじゃ、行きますか。」
「いや、ちょ、同意してないから。」
「お前を連れて行くのにの同意など必要としていない…なんちって」
「おい、全国の薄●鬼ファンに謝れよ。」
「なにゆえー?」
「…黙れ。」
「じゃ、行きますか。」
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