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開いた目に映ったのは、男の子の顔。
金髪のロングヘアーに青い瞳、「真っ白です」って、洗剤のコマーシャルに使えそうな白い肌。
整った目鼻立ちが近づいてくる。もうすぐ唇が触れる。あと3センチ、あと2センチ、あと1センチ、って……。
「きゃああああ、痴漢!!」
振り回した足が命中して、男の子は吹っ飛ばされ、長い金髪がうねった。 男の子は細い身体を折り曲げ、ゴホゴホと咳をし出す。
どうもあたしの渾身のキックが、いいところに命中したらしい。
それにしても変な格好をしている。
白の学ランなんてマンガでしか見たことない。金髪も青い目も彫刻みたいに整った顔立ちも、なんか、まるで……天使みたい。
今やろうとしてたことは、悪魔だけど。
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