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「つまんない。」
そう音色は呟いた。
呟くだけ、無駄かも。
そんなことを考えながらそう音色はため息をついて屋上へ向かおうと席を立った。すると、
「あのー、九条さん....」
とビクビクしながら隣の神田さんが音色に話しかける。
「なに?」
と音色はいらっとして神田さんを睨む。
「え、あの。今日、九条さんが日直なんだけどお」
と涙目で私に言う。
「知ってるけど?」
と音色はさらに神田さんを睨む。
「ご、ごめん...その、やってもらえる?」
と小さく黒板を指差す。
「やればいいんでしょ。やれば。」
と音色は黒板にむかって消し始めた。
音色は消し終わりドアに向かった。
もちろん、音色が向かうのは屋上。音色を分かってくれるのはあの青い空だけ。
音色は暖かい日差しに包まれながら寝っ転がる。
「眠い....」
と音色はそう言って空を見上げる。
「綺麗なのに....空だけは.....なのに.....この世界は汚い....」
と音色は空に手を伸ばした。
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