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「俺、さ。」
と時雨は突然真剣な顔をする。
「なに?いきなり、改まって。」
と音色は時雨を覗き込む。
「俺、音色が好きだ。」
音色の中で時が止まる。
幼稚園の頃から隣にいてくれた。
いつも、笑いあってた。
時雨が大好き。大好き。大好き。
「私も、好き。」
音色は時雨の手を握る。
「マジで?」
と時雨は寂しく笑う。
「でもな。俺、引っ越すんだ。」
と時雨は音色の手をしっかり握りながら笑う。
音色は自然に涙を浮かべる。
「アメリカに。」
と時雨は俯きながら言う。
その瞬間、涙が溢れ出す。
「音色。俺は、必ずお前を迎えに行く。こんな、少女漫画みたいなセリフだけど。俺は、必ず迎えにくる。」
と時雨は力強く言う。すると、もっと涙が溢れ出す。
「うっうっ....しーぐれー!」
と音色は時雨に抱きつく。時雨は、音色を優しく包む様に抱きしめてくれる。
「ホント、少女漫画みたいだよ....」
と音色は笑う。すると、時雨も笑う。
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