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「いいじゃねーか~
ねぇちゃん酌ぐらいしろよー」
「む、無理ですっうちはそのようなサービスは行っておりません!!」
フロアに出てみればやっぱりあの酔っぱらいオヤジに絡まれている青木さんの姿がある。
店長に目をやれば、
厄介事を避けたいのかレジに集った他のお客様の対応に追われているようす。
心配する視線をチラチラと向けつつレジを打っている。
「ここは俺の出番だな」
身も心もオールイケメンな俺は、悪事は許さねーぜ!
「お客様、お酌はご自分でなさってください」
「あぁ?
なんだお前…アルバイトが生意気な事を言ってんじゃねーよ」
問題のテーブルについてみれば、手をガッシリ握られた青木さんとベロンベロンなお客様。
お客様の暴言や罵倒にも冷静に対応するのがプロのアルバイトってものだからな~
このクソオヤジにも笑顔で対応してやるさ
「ファミレスに来てレディに酌を求めるんじゃねークソ野郎…
キャバクラいけよキャバクラ」
百点満点の笑顔で言ってさしあげたぜ☆
「な……!?
お、お前お客様に向かってなんだその態度は!!!!!!」
怒りでさらに赤くなった顔で立ち上がったオヤジは青木さんの手を離したみたいだな。
そのすきに青木さんが気配を消していなくなった。
「お客様だぁ?
お客様よりレディの笑顔だバカ野郎そんなんだからサァヤちゃんにもフラれるんだよ」
「な…にをォ!!!?」
やべ、キレたか。
血圧上げると心臓に負担だぜ?
「落ち着いてくださいオヤジ様………あ、間違えたお客様」
―――ガシャーン!!!
なにやら酔っぱらいが叫んでいるが残念ながら俺の耳はそれを理解しないからなんの意味もなーい。
まぁでもこれ以上他のお客様に迷惑をかけるわけにはいかないしな。
速やかにお帰りいただくか~
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