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声のする方を見ればそこには紘幸先輩がいた。
紘幸「今帰りか?」
柚姫「はい!先輩もですか?」
紘幸「おう!」
紘幸先輩は私の家から結構遠い。
けれど、歩いて帰るには私の家の前を通るのが近道らしい。
柚姫「そうですか」
たまぁに、お互いばったりと会う事がある。
だから、珍しい事ではない。
紘幸「あ、あの噂、ホントだって!」
紘幸先輩の言葉…
ぴくんと反応してしまった。
柚姫「あの噂って…?」
紘幸「寺島先輩と付き合ってるんって噂!!ホントなんだって!」
紘幸先輩がベラベラと喋り出す。
紘幸「ながわっち先輩に聞いたら、あっさり認めたんだよ~!」
胸の奥が…
ぎゅ~って締め付けられるような気がした。
それと同時に涙が出てきそうだった。
紘幸「詳しく聞いたら…」
紘幸先輩はまだしゃべり続けている。
私は嫌で嫌で…
我慢するので精一杯だった。
紘幸「-てなわけよ!」
柚姫「そうなんですか~」
半分聞いていない私。
紘幸「また情報があれば知らせるよ」
正直…聞きたくない情報だよね。
けれど…
柚姫「楽しみにしてます!」
無理やり笑顔で答えた。
誰にも知られたくないこの気持ち。
好きだと気づいて…
失恋したんだと分かって…
もう嫌になる。
柚姫「じゃ、また!」
紘幸「おう!またなぁ」
紘幸先輩と別れて、ようやく自宅についた。
私はすぐ部屋に行った。
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