時→幼稚園

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そんなこんなで、私は幼ながらに「祖母のがまだマシ」だなんて思うようになって行くのですが… たまに自分宅に帰ることもありました。 えぇ、祖母が私の母親が可哀想だなんてほざきやがるからです。 私は泣きながら拒否しますが、強制的に連れ帰られるのです。 さて、家に帰れば直ぐに地獄が待っている訳でなく、少しの間は極一般的(私は正確には一般を知らないので、よく言われているような想像上のもの)な家庭と同じように時を過ごし、母親が何らかの理由で逆上(しかも私は全く無関係)した時、私は母親から言葉という鋭利な刃物で心を抉られ、視線という確かな憎悪を身体で感じるのです。 でも、そんな風にされても、私には泣けない理由がありました。 今の方が泣き虫なんじゃないかと疑う程、私はこの頃、涙を見せる事が出来なかったのです。 .
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