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ドクドク…なんて、生易しい音じゃなくて、
ドッ ドッ ドッ!!
半端じゃなく、フォルテシモ!!
ふわっと風が動いて、私の鼻を掠めたシトラスの香り…
腕の中から解放してくれた東條さんは、私の真っ赤な顔を覗き込み一言。
「付いて、来るよね?」
あくまで私に同意を求めているけれど、強い眼差しが語っていた。
『付いて来い』と…
考えるより先に、身体がイエスと答えてしまっていた。
頭をブンブンと何度も縦にして。
薄ら笑いを浮かべた東條さんに、私の思考は完全に停止させられて、気付かぬうちに店に着いていたようだ。
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