一度目のターニングポイント

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「悪い… 責めてるわけじゃなくて。 ただ、聞いてしまったから気になってるんだ。」 斗真さんの言葉に、開きかけた口が閉じた。 聞いた…? 誰に、何を… 一瞬、東條さんの顔がよぎり、隠す前に全てバレているんじゃないかと思った。 「中西さんが教えてくれた。 誰かに、告白されたんだってね?」 美緒…か。 ……誰に告白されたのか、言わなきゃダメですよね? 「それも教えてくれないなんて、ちょっとショックだったよ。 言えないのは、言いにくい相手? つまり、俺の知ってる奴ってコトだよね。 それって、さぁ…」 もう分かってる…と言ってるような表情が見える。 それに、私は黙り込むしかなかった。 …誰かが分かってもいい。 それ以上の何かが、分からなければ… また、卑怯極まりない思考に染まる私に、 「それ、俺なんですけど、ね。」 あらぬ方向から聞こえた声が、全てをぶち壊した。
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