視線の先

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「……お疲れ様です。」 あまりイケメンに免疫のない私は、話し掛けられても上手く返事が出来ないので、すぐにパソコンに目を向けた。 隣りの席で、東條さんと同期の山瀬さんが、彼と冗談を飛ばし合っている。 私も彼女みたく、サバサバと話してみたい。 仕事をこなしながら聞き耳を立てていると、これから飲みに行かない?…なんて、しきりに誘いをかけてる山瀬さん。 それに、今日はまだ仕事があるからと、苦い顔つきで断わっていた。 「東條、次の合同会議の件なんだが…」 奥から秋山課長の声がする。 山瀬さんとの話しを強制的に終わらした東條さんは、課長の所へと長い足を進めていた。 そんな彼を横目に、私は残業する前に休憩を取ろうと、山瀬さんに告げて席を立つ。 「あ、川崎。待って…」
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