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海「っ……ここは…?」
目が覚めると見たことの無い場所だった。あれは夢だと思いたかったが、違うらしい。
海「はぁ……現実…か」
確かに海人も剣と魔法のファンタジーに興味はあった。しかし、それはあくまでも興味があるだけ。その手のゲームをやるのが好きという程度だ。何も自らが体験したい訳ではない。
何より、これはゲームではない。現実だ。セーブも出来なければ、リセットボタンもない。死んだら前のセーブデータから始められる訳ではない。
海「スタート地点はこの森。ここから実験開始……と。ふざけんなよ、クソが」
服装は変わってないが、腰にはナイフがあった。話にあった通り身体能力は向上してるようだ。体が少し軽く感じる。魔力についてはまだ分からないが、今は置いておく。
海(アイツに一泡吹かせててーな)
腰のナイフを見ながら思う。
ここで、自殺でもすればあの男性の実験とやらは少し止まるだろう。しかし、一時的に止まるだけでまたくじ引きでもして新たな被験者を選ぶだろう。
海(それに、あんな奴の為に命を投げ打つなんざ真っ平御免だ。だから、生き残る)
海人はナイフをしまい、森の中へと歩を進めて行った。
海人(あ、その前に食べ物探さないと。少し腹も減ってきたし)
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