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ザザーン
(とりあえず、確認しよう)
海人は砂浜の上で座禅をくみ、目を瞑りながら今までの事を整理する。
当然、肩を叩く人はいない。
暫くして、海人は一旦目を開け目の前を見る。
しかし、状況は変わらない。目の前に広がるのは広大な海だけ。自分が住んでいる近くに海は無い。車で行くとしても2時間はかかる。
(確か、昨日の夜に布団に潜ったのは11時頃だった筈。……じゃあ、何で海に?
ドッキリか?だけどドッキリの為だけに寝てる人間を何十kmも運ばないだろうし……。つーか、それってもう誘拐だし……)
最初は夢かと考えたが、頬を抓ると痛いし、潮の香りはするし、砂浜は少し熱い。この状況を夢というには少し無理があった。
海「駄目だ。全く分からん。何処だ?ここ?」
ザザーン
海「まさか、俺って別の世界に転生しちゃったとか?」
ザザーン
海「んなわけないか。エブリ○タのファンタジーじゃねぇんだから」
ザザーン
海「はぁ」
海(取りあえず、辺りを色々探してみるか。せめて手元に携帯でも有ればな~)
今の海人の服装は全身真っ黒のジャージ。持ち物は今着ている服以外何も持っていなかった。
海(…………人を見かけたら事情を説明して、何とか帰る方法でも見つけよう)
海人はそんな事を思いながら、人を探すように辺りを歩き始めた。
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