11人が本棚に入れています
本棚に追加
海(あ、本当にこういう人っていたんだ~)
振り返ってみると、そこに居たのはいかにも仕事ができそうな黒縁の眼鏡を掛けた男性だった。脇にファイルまで抱えてる。だが、服装がおかしかった。
海(白い布一枚体中に巻いて、背中に羽みたいなのつけてるよ……。これはコスプレってやつか。初めて見たな)
男性「事前説明にもその場で待機と言った筈です。何故動いたのですか?」
海「ちょ、ちょっと待ってくれ。何だよ事前説明って!そんなの聞いてないよ」
男性「聞いてない?はて?担当の者が説明した筈ですが?」
海「だから、何の話だよ!?ドッキリか何か?俺なんかをターゲットにしても面白い事なんて無いでしょうが!」
男性「何を言ってるのです?[交換留生]の話に決まっているでしょう」
海「日本語で頼む」
男性「本当に知らないんですか?」
海「その言葉自体初めて聞いた」
男性「ふむ……」
男性は暫く考えるような素振りをした後、口を開いた。
男性「では、時間もないので手短に説明しましょう」
海「は、はぁ」
男性「まず、ここはあなた達でいう天国です」
海「はい、ダウトォォォ!!」
男性「何か可笑しい所でも?」
海「それだと俺が死んだみたいじゃないか!」
男性「あ。そうですね。これは言い方が悪かったです」
海「ですよね~。それだと死後の世界って事になっちゃいますし」
男性「そうですね。その表現が一番しっくりくるかもしれません」
海「は?」
男性「だから、死後の世界ですよ。元々、天国や地獄なんて場所ありませんし」
最初のコメントを投稿しよう!