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男性「あ、そんな事ですか」
男性は拍子抜けだというような表情をすると、
男性「ただのくじ引きですよ。別に貴方でなくても候補は60億程いましたよ」
と、一言だけ言った。
海「ふざけんなっ!!!」
その瞬間、今まで溜まっていたものが全て爆発したような感覚だった。
男性「何かおかしい所でも有りましたか?」
海「有りましたか?じゃねーよ!!分かってんのか!?人の人生を踏みにじってんだぞ!!」
キレた。今までにないくらいキレたと思う。
当たり前だ。実験としてたかだか、くじ引きで自分の人生を壊される。これにキレない筈がない。
男性「ははっ。貴方面白い事言いますね」
海「面白い事?ふざけんな!!こっちは真面目なんだよ!!」
そんな海人に対して男性は笑いながら、一言だけ言った。
男性「だからですよ。貴方は実験する時に実験体の事情を考えますか?
<このネズミにも家族がいるから>、という理由で実験を止めますか?」
海「なっ……」
男性「おしゃべりは終わりです。では、精々良い結果を出してください。それでは」
男性が指をパチンと鳴らすと、急に眠気が襲ってきた。
海「ち…く…しょう」
そして、意識が遠のいて行った。
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