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二回の後に三回、それは独特のノックの仕方だった。
病室の引戸がすっと開く。
「西川さん、具合はどうですか」聞き慣れた女性の声はそう言った
「変わりないですよ」
聞こえていた乾いた足音が隣でピタリと止まった。
「そうですか」
相づちを打つと女性はにっこりと笑顔を向ける。
しかし実際のところ笑っているかすら分からない。
私は今まで一度もその顔を見た事がないのだから。
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