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「あやややや、貴方が椛に助けられた外来人ですか」
目の前に降り立った少女には黒い鳥のような翼があった。
驚きは隠せない。看病してくれていた少女にも犬のような耳と尻尾があったが、かざりかと思っていた。
しかし、今この少女は確かに飛んでいた。そして目の前に降り立ってきた。
「いやぁ、そんなに驚かなくても大丈夫ですよ。危害は加えませんから」
ニコニコと笑いながら少女は話しかける。
「あ、文先輩」
看病してくれていた少女がこちらにやってきた。
戻ってこない水樹の様子を見に来たのだ。
「椛、なかなかいい面構えをしている御仁ではないですか」
ニタニタと笑いながら文先輩と呼ばれた少女は椛と呼んだ少女をからかうように笑う。
どうやら椛という名前のようだ。
「せっかく外来人が来たっていうネタがあるのに三日も待たせるなんてひどいですよ、椛」
「怪我人を取材させるわけにはいかないですよ。今日やっと外に出たばかりなんですから」
ちょいとした口論が始まったが、すぐに収まった。
そして椛と呼ばれた少女に戻ろうと言われ、水樹は部屋に戻った。
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