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助けられてから一週間、やっと声も出せるようになり、身体の痛みも完全に消えた。
今は夕方。薪を割り終えた水樹は竈に火を入れ、味噌汁を暖め始めた。
椛に助けられてから、ずっと世話になっている。自分に出来ることといったら、家事ぐらいである。
しかし、ここ幻想郷では電気も水道もガスも通っていないようだ。
さしずめ明治時代初期のようなものか。渡された服も、白い袴のような服である。
味噌汁が頃合いになった頃、椛が帰ってきた。
「おかえりなさい」
水樹は一言声をかけ、夕食の支度をもくもくとこなした。
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