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「ポロの言う通りかもしれない。しかし、スリルとは危険を伴うものだ。俺達はそんな危険を冒してまで…」
「ベルは怖いだけでしょ。マックス、貴方はどう思う?」
「僕はポロに賛成だよ。この暇な毎晩を打開するには、少し何かに挑戦してみてもいいんじゃないかな」
「3対1で可決ね! じゃあリーダーは私、作戦参謀はマックス! シャルティは情報参謀ね、ベルはまぁ…雑用かな」
「おい…」
嫌に子どもらしい考えではあるが、犬としての生はまだニ、三年程しか過ごしていない僕達だ。
子どもっぽい遊びだってしてみたい。閻魔様だって多少のお遊びは許して下さるさ。
何かワクワクしてきた。これがスリル…いや、ただの好奇心か。
「じゃあリーダーの命令ね! マックスは明日までに私達初の遊びを考えてくること! 内容はどんなのでもいいからね」
「あぁ、いいよ。期待してて」
「シャルティは…特に無いね。ベルは明日の晩、四人分のほねっこを持ってくること! 以上!」
「おい、だから俺は…」
こうして僕達はその晩を終えた。
日が昇る前にこっそりと各自の家に帰り、こっそりと自分の首輪に鎖を繋ぐ。
昼は大した用事も無いんだから、夜寝てないぶんぐっすりと眠れるのだ。
しかし今日は違う。作戦参謀であるところの僕は、作戦を考えなくてはならないのだ。
作戦参謀…いいね、この響き。ポロも中々いいアイデアを出してくれたじゃないか。
これから始まるスリルは、全て僕次第で決まってくる。
この犬としての生、精一杯楽しませてもらおう。
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