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行きの通勤電車で、
久しぶりに、あの夢を見た。
夢の中の私は、17か18の少女で、
紺のブレザーと指定じゃないニットベスト、ブレザーと揃いのプリーツスカートを着ていて、
靴下は紺のハイソックスだった。
そうそう、あの頃はルーズ派とハイソ側に、大きく別れていて…。
などと、回想に浸りながらPCを立ち上げていると、
「篠村さん」
背後から声を掛けられた。
「ああ、樫君おはよ。何?」
真後ろの席で4年後輩、樫本君だ。
上半身だけひねって振り返る。
樫本君は、同じ様にPCを立ち上げながら、顔だけこちらに向けて、
「さっき、タイムカードのところで、
上原さんに会ったんですけど、
席まで来てくれ、ですって。」
「ふーん、なんだろ。
ああ、またなんか小間使いかな…。」
「頼られてますねぇ~」
樫本君が、ニヤニヤしながら言うので、思いっきり渋い顔をして見せてから、席を立つ。
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