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あれから五分ほど歩いてる時、後ろから男に声をかけられた。
一度だけ振り返るが直ぐに視線を前に戻し気にせず歩き続けると、未だに声をかけてる男の声は次第に近づいて、そいつは俺の右肩を掴んで止めてきた。
「なんで無視すんだよ!?酷くねっ!?絶対気付いてたよね!?」
如何にも弄られキャラですと言わんばかりの言葉を放っているこの男は西野 灯幸(ニシノ トモユキ)。俺の幼なじみで炎の能力者だ。
だが、一般的に炎の能力者と言われても、なにも無い所から炎を出せる訳ではなく、そこに火が灯っていれば、その火を操り、火力を上げたりするというものだ。
以前彼はその能力が一般人に見られる前までは楽しそうに一般人と遊んでいたが、小学校3年の頃、家庭科の調理実習でガスコンロについてる火を無意識に操ってしまい、制御が解らない彼は学校が火事になってしまう一歩手前まで追い込ませてしまった結果、一般人には遠ざけられ、最終的に友達は俺だけになった。
別に俺は灯幸が能力者だからといって遠ざけることはしなかった。
そんな風に彼を怖れずに接してきた俺を見た灯幸の母さんは嬉し涙を流したとか。
今では灯幸の母さんともメル友の仲までいっている。
それから暫くして灯幸は能力を制御できる様にはなったが、一般人に虐げられてきたため、自分は能力者だと踏ん切りをつけて、肌身離さず自分が使用する能力の種であるライター(偶にマッチを所持)を所持している。
髪もそうなのか、昔は日本人特有の黒髪も今では紅く染めている。
自分の能力が炎を操るものも含めて紅なんだろう。
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