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和歌の意味は。
『煌々と照っているわけでも、かといって曇っているわけでもない、朧な光の春の月に、勝るものは無い』
これは、平安前期の歌人、大江千里が詠んだ歌です。
源氏物語の作中では『しくものぞなき』ではなく、『似るものぞなき』と詠まれてますが、これは歌を口ずさんだ朧月夜の君が女性だったため、『しくものぞ…』という男っぽい言い方を読替えたらしいです。
この朧月夜の君は、源氏の君にとっては、政敵の娘です。
彼女は、当時宮中で勢力を誇っていた、右大臣の六の君。
この右大臣こそ、源氏の母・桐壺更衣をいじめていた、弘徽殿女御の父親です。
源氏は、右大臣家と反対勢力の左大臣家の姫を、正妻に娶りました。
そして、臣下に下ったにも関わらず、宮中の人気者であったため、東宮の母・弘徽殿女御にひどく疎まれています。
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