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「流騎ぃ、起きなさい!」
母親に呼ばれた声で目が覚める。
枕元にある目覚ましを見ると時間は朝の7時を少し過ぎた頃だった。
まだ眠たいが瞼を擦りながら布団から出る。
本当はギリギリまで寝ていたいがウチでは朝ご飯を食べるのがルールなのだ。
自分の部屋を出てリビングにいく。
「母さんおはよ…。」
「はぁい、おはよう!
ご飯出来てるから食べなさいね!」
「ん。」
そんないつも通りのやりとりをしながら食事を取る。
「あれ?
…そういや冬馬は?」
「知らないわよ?
あんたに何か連絡してきてないの?」
「ん~…別になかったな…。」
冬馬は授業がある日はウチで一緒に朝ご飯を食べている。
ムードメーカーだから何気に母さんも冬馬を気に入っていた。
そして他愛もない話をして学校に行くというのが日常だっただけに今日みたいな日は珍しい。
そういう場合は大抵連絡があったから。
「まぁこんな日もあるんじゃね?」
母さんは、そうね。と相槌を打ちながら俺の弁当を包んでいる。
リビングで点けっ放しになっているテレビはニュース番組をやっているらしい。
報道系のテレビ番組には興味無いが、ご飯を食べていると音声だけでその内容が何となく聞こえてくる。
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