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約束の時間になっても来ず連絡もなかった人、仕事の休憩時間に突然いなくなった人、仕事終わりに『これから帰る』と連絡があった後そのまま帰ってこなかった人…。
年齢や職種は様々で共通点は見当たらず、その行方不明者を知る人達はまるでその人がいるという記憶だけがあって、実際にはそんな人は最初から存在していなかったかの様な不可思議な感覚に陥りそうな感じだった。
だが戸籍などその人が存在している証拠は確実にある。
だからこそ行方不明者を知る人達は、いつか帰ってくる…と信じずっと待ち続けている。
そんなちょっとシリアスな事を通学中ずっと考えていたら、いつの間にか学校の目の前まで来ていた。
(あ…そういや今日から放課後って生徒会室に行かなきゃいけないんだよな…)
考えただけで気持ちが滅入るが『仕方ない』と諦め、学校の中に入るのだった。
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