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「……天国とかってあるかな」
「あるある」
二回続けて言いやがった。
適当な……というように彼を見る。
が、彼はいたずらに笑みを浮かべるだけ。
「もしかしたら鳥になるかも」
姿は見えないが遠くで鳥達の高い囀りが響いている。
「ハッ、それこそファンタジーだわ」
「それでいいんじゃね?」
彼は煙草を指でつまみなおし、白い煙を長く口から吐き出した。
「死後なんてどこに行くかわかんねぇし。生まれ変わるかもしれないし、残されたものの想像でしかない」
確かに、そう。
ハルオは今、焼かれてる。
身体は、遺体だけのハルオは、ハルオじゃない……。
「……魂の、抜け殻」
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