桜色の天にのぼる

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「そう思うのも自由」 「天葬じゃないよ?」 「じゃあ煙」 彼は半分ほどに短くなった煙草を火がついた方を上にし、縦に持った。 煙は先ほどよりも余計、上に線を描きながらのぼっていく。 「昔は火葬場にも煙突があってさ。こんな風に煙が上がってたんだ」 今は煙突なんて見かけない。 煙まで燃やしてしまうらしく、今は煙も出ないが。 「俺は母さんの時、それ見てた。天国の梯子のぼってるところだって言われたの覚えてる」 梯子、か。 そう見えなくもなくなってきた。 「……あんたも結構ロマンチックね」 「ロマンチックなんすか?」 と、私があんたも、なんて言ってしまったためにまたもニヤニヤとした顔をさせる事に。 なんと悔しい。 私は思いっきり舌打ちをした。
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