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この会話に意味なんてない。
意味なんかわからなくていい。
死ぬときは死んで、死なないときは死なない。
っていうか、こんなの生きているものの豊かな想像に過ぎない。
でも私は彼と話していて不思議と心地いい。
まるでハルオと話しているかのようで。
まるでハルオが隣にいるようで。
と、いうのも妄想に過ぎないが。
「ってか、今更だけどアンタ誰?」
親戚の、とか言って話したところで思い出せないので聞いてみる。
「えー。ホント今更っすね。俺は」
と、彼は桜の下でにこやかに答えた。
「俺はハルオじいさんの二番目の愛人の息子の浮気相手の連れ子だ」
胸に指を広げた手を置き、どうだ、と言わんばかりに少々胸を張っている。
「……もう一回」
と私が言うと、そっくりそのまんま同じように言いやがった。
…………ハルオに愛人!?
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