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「二番目って、何人いんだよ!!」
「さぁ。俺だって最近知ったんすよ」
私はたった今知った。
どういう事なのか聞きたい、ってハルオいないじゃん!
開いた口がふさがらないとはこの事だ。
しかもよくよく考えると目の前の男は、他人……。
すると彼はこう言った。
「父さんが俺はじいさんによく似てるって。だから最期になっちまったけど見てみたかったんすよ」
多少寂しさが伝わり、私は彼の背中をポンッと叩いた。
「似てる似てる」
同じように二回続けて言ってやると、彼は一瞬止まって、笑った。
鼻水をすすって、私も笑った。
まだ満開とは言えない桜が咲いている今日。
色んな意味で私は忘れないと思う。
彼にも、今日を忘れないでほしいと願う。
ハルオが天国に行った、春のはじまりを。
「……あんた名前は?」
「俺は――、
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