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「はぁ?」
まぬけな声に私はまたも彼を見る。
無精ひげくらい剃ってこいよっていう顎が目に入って、それから二重のまぶた、黒い瞳に目がいった。
「鳥に食われたいんすか?」
「そういうんじゃなくてさ。なんかいいじゃん。天国に近いとこまで行けそうで」
空高く運んでもらえそうで。
そう言うと彼は不思議そうにこっちを見ていた。
「何よ?」
「いや、小難しい事考える人かなって思ったら意外とファンタジックというかなんというか」
「なっ!?」
思いっきり変顔してしまったのが自分で分かって瞬時に手で口元を隠す。
ちくしょう……ちょっと子供っぽすぎたか?
「天国とか小学生みてぇ……ふはっ」
彼はふきだしながらうんうんと頷いている。
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