武士と迷い猫

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 「似ている? 私と沖田さんが…」  「うん。スッゴく」  「だから」、と沖田が斑の方へ首を巡らせた。  「教えてくれるかな? 異国の着物を着ていた訳」  「───……」  「君をあの甘味屋で見た時、まるで猫みたいだなって思ったんだ」  斑は微かに眉を寄せて、胡乱に反芻した。  「猫?」  「うん。客にも海松ちゃんにも…人の良い笑顔で接してたけど、目の奥には警戒と不安があった」  それらを隠す為に毛を逆立て相手を威嚇する猫に、愛想笑いをする彼女が何故かとても似ていた。  「同時に、何と無く気になったんだ」  心を笑顔の膜でぼかす所が。安心したのだ。  ────同類がいた。  「僕だけじゃ無いんだ、って…ね」
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