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さて、どうしようか。
微笑みを浮かべながら、斑は心中で思案する。
ロシア在住の少女がタイムスリップして此処に居る、何て信じるのは本人だけだろう。
「教えてくれる? 君は何処から来たの?」
「んー…遠ぉ──く、ですよ」
「簡単に言うとどの位遠く?」
薄笑いをしたまま小首を傾げて促す沖田の、整った顔。猛烈に殴りたくなったのは、驚いた事に初めてだ。
「沖田さんって、女の子の個人情報に興味があるんですね?」
沖田から町に視線を流してからかう様な口調で言うと、隣から無言で苦笑う気配がした。
「土方さんじゃあるまいし、僕は他人に興味は有りませんよ」
「じゃあ、」
──何故訊くのですか? と続けようとして、沖田に遮られる。
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