素性は?弐

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 さて、どうしようか。  微笑みを浮かべながら、斑は心中で思案する。  ロシア在住の少女がタイムスリップして此処に居る、何て信じるのは本人だけだろう。  「教えてくれる? 君は何処から来たの?」  「んー…遠ぉ──く、ですよ」  「簡単に言うとどの位遠く?」  薄笑いをしたまま小首を傾げて促す沖田の、整った顔。猛烈に殴りたくなったのは、驚いた事に初めてだ。  「沖田さんって、女の子の個人情報に興味があるんですね?」  沖田から町に視線を流してからかう様な口調で言うと、隣から無言で苦笑う気配がした。  「土方さんじゃあるまいし、僕は他人に興味は有りませんよ」  「じゃあ、」  ──何故訊くのですか? と続けようとして、沖田に遮られる。
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